お子さんの呼吸をグラフでチェック!フローボリュームカーブとは?
こんにちわ!昨日は「中秋の名月」でしたね。子供たちとお月見団子を食べて、この辺りはいいお天気で夜にはきれいなお月さまが見えました。満月は今日らしいので、機会があればまんまるなお月さまを眺めてみてくださいね。
さて、先週末に大阪で開催された小児アレルギー学会へ行ってきました。1日目には、昨日ノーベル生理学・医学賞を受賞された坂口志文先生の特別講演もあったのですが、都合がつかず2日目しか参加できなかったので、後日配信されるオンデマンド講演を聞いてみようと思っています。
学会では、色々なお話を聞けて興味深かったです。その中の1つのハンズオンセミナーで呼吸機能検査について勉強し、実際に検査を体験してみました。当院外来でも小学生以上の気管支ぜん息の患者さんには定期的に実施しており、毎回一生懸命、検査に取り組んでくれています。今回は改めてその検査の意味などについてまとめてみました。お子さんがされている検査について参考になれば嬉しいです。
呼吸機能検査:子どもの呼吸を「見える化」する検査
スパイロメーター
スパイロメーターという機械を使ってフローボリュームカーブを検査します。
◆ フローボリュームカーブってなに?
「フローボリュームカーブ」は、息を吸ったり吐いたりするときの空気の流れ(フロー)と量(ボリューム)をグラフにしたものです。
簡単に言うと、どれだけ速く、どれだけたくさん息を吐けるかを見る検査です。
◆ 実際のグラフはこんな形
「患者さん向け小児ぜん息治療ガイドライン」から抜粋
・正常のグラフは、なだらかな「丸くふくらみのある山」の形。
・ぜん息のときは、「下にへこんだような山」ように見えます。
→ これは気道が狭くなって、空気がうまく出せないサインです。
◆ どうやって検査するの?
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機械につながったマウスピースを加え、口をすぼめて空気が漏れないようにします。
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「思いっきり吸って!」「せーの、思いっきり吐いて!」と声をかけ、勢いよく行きを吐き続けます。
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機械が息の勢いと量を記録し、グラフを作成します。
◆ グラフからわかること
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グラフがスムーズなら気道が広いサイン。
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喘息のときは、山がつぶれたようになり、息を吐く途中で勢いが弱くなります。
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治療でグラフがきれいな形に戻ってくると、お薬が効いている証拠です。
◆ どう役立つの?
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発作がなくても気道が少し狭くなっていないか確認できます。
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吸入薬が効いているかチェックできます。
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成長に合わせて肺の力の変化を見ることができます。
呼吸機能検査は、「普段の呼吸の状態」を数字とグラフで見える化できる大切な検査です。お子さんの「見えない呼吸」を「見えるグラフ」にして、安心して治療を続けられるお手伝いをしていきます。
秋はぜん息発作が起こりやすい季節と言われています。普段のコントロールをしっかりと行って、発作が起きにくいように治療を継続していきましょう。ご不安なことがあれば、いつでもご相談くださいね。
